生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

下の名前のこと。

 自分の下の名前が好きじゃなかった。
両親にはちょっと悪いと思うけど、あんまり好きじゃなかった。
呼び捨てならまだいいんだけど、ちゃん付けされると途端に幼稚になってしまう。
だから、下の名前を呼ぶなら呼び捨て、じゃなきゃ呼ばないで。名字かあだ名で呼ぶなら怒らないから、ちゃん付けだけはやめて。

そうしていたら周りに残ったのは、
名字(呼び捨て・さん付け)
下の名前(呼び捨て)
あだ名
で呼んでくれる人たちだけになった。とても心地よかった、だって幼稚な呼び方はされないから。

でも、昨日…というか、もう今日か。
最初は私のことを「(名字)さん」で呼んでいた、私の尊敬する先生が、文章の途中から私のことを「(下の名前)さん」で呼んでくださった時、今まで経験したことのないような感情を抱いた。

胸が締め付けられた。
でも多分、これは恋とかそういうものじゃない。
じゃあ何だ、何だろう、わからない。
でも胸が、きゅーっとなった。
気持ちよかった。
正解をようやく見つけたような気がした。
私は今までずっとずっと、そうやって呼ばれたかったんだな、と思った。

 単純だけど、そう呼ばれてから少しだけ、自分の下の名前が好きになった。