生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

その遺伝子が、たとえ少しだとしても私に遺伝しているという事実に嫌気がさす

 平日はそんなことないのだけれど、休日は大体、親と二人で晩ご飯を食べる。食べる羽目になる。

 人と人が顔を突き合わせれば、そこには会話が生まれることが多いと思う。私は親と話すことなんて何ひとつないから、早く食事を終わらせるために、目の前に鎮座する食糧を片付けることだけに注力する。
 でも向こうは(何故か)話すことがあるらしくて、たまに話しかけてきたりする。その度に出てきそうになるため息を堪えながら、私はそれに応じるのだ。

 先日の晩唐突に、
「ゼミの先輩はどこに就職したの?」「証券投資を扱うゼミだしそういうところ?」などと聞かれた。
薄々先が読めて嫌な予感はしたけれど、私はこう答えた。
「まぁ、普通に銀行とか証券会社とかに行ってる人が多いけど(何か?)」と。
そしたら何て返ってきたと思う?
「銀行かぁ……w銀行ももう危ないよなぁ……w」だと。
これだよ、これが嫌なんだよ、と、本当に不快な気分になりながらも辛うじて
「あっそ」とだけ返して、食事に戻った。
 親はおそらく、コンプレックスを抱えている。自分の就いている職業に対してなのか、自分自身に対してなのかは分からないけど、何かしらに対して抱えているみたいだ。
別にコンプレックスを抱えているだけならどうでもいい。私だって抱えている。
でも親が駄目なのはその気持ちの処理方法で。自分の自尊心を保つため/自分を正当化するために、他人を下げる。馬鹿にする。少し前までは私のことも下げたり馬鹿にしたりしてきたけれど、私が精神をやられてからは───少なくとも私に対しては───そういうことはなくなった。
けれど相変わらず、他人に対してはそういうことを言う。小心者で、直接相手には言えないようなことを、陰では平気で撒き散らす。

 そういうものを、殴られたくないからと反論せずに黙って受け止め続けていたけれど、流石に我慢の限界に達してきた。
私がそいつの遺伝子を受け継いでいることや、
そいつに育てられてそいつの価値観に汚染されていることを、心から恥ずかしく感じた。

 何と表現すればいいのだろう、
無知故の視野狭窄
無知故の無理解、
無知故の傲慢、とでも言うべきか。
そんな親を見る度に、私は胃の底辺りから湧き上がってくる嫌悪感と共に
「たとえこの脳味噌が使い物にならない物だとしても、絶対に“自分が無知であること”と“自分が馬鹿であること”だけは心に刻んで忘れないようにしよう」と思うのだ。