生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

“晩ご飯 豚肉”“晩ご飯 サバ”“晩ご飯 鮭”

 大抵の場合、それで1週間が回っていく。

 夕方から夜にかけて家にいる人間がいないため、夕食は自然と自分で調理して食べるようになった。私は毎朝家を出る前に炊飯器の予約炊飯を設定する。
 そして家に帰ってから居間の机に残された、“晩ご飯 ○○”というメモを見て自分の分を調理するのだ。調理、といっても、大したことはしない。そんな体力もない。
だから○○に入る言葉が“豚肉”の時は大体生姜焼きだし、“魚”の時は大体塩焼き。家で食べる夕食を楽しみに思えなくなったのがいつの頃からか、それすらもう思い出せない。それくらい昔から、“このヘトヘトな身体を家まで引きずった後に食べる夕食”に楽しみを見いだせなくなり、単なる義務にしか思えなくなった。
生姜焼き、塩焼き、塩焼き、生姜焼き、塩焼き、塩焼き。毎晩がそれで終わる。決まりきったローテーション。もう何巡したのだろう。分からない。
 分かりきった晩ご飯に嫌気が差して、家に帰るまでの間にそこらへんのチェーン店で空腹を満たしたいと思う夜は少なくない。だけど、その日の朝に他ならぬこの自分が予約した炊飯のことを思い出すと、帰って家で食べなければならないということも思い出す。だから私は寄り道せずに分かりきった晩ご飯に向けて重い足を持ち上げるのだ。

 今日の晩ご飯は何だろう。豚肉か、サバか、鮭か。何にせよ楽しみには思えない。