生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

両親の共通点をもうひとつ見つけた

 二人とも、世間体を気にする。
全く上手くいっていない家庭を“幸せそうな家庭”に見せるためなら、自身を“よくできた父/母親”と繕うためなら、何でもする。誇張でも何でもなく、本当の本当に、“何でも”する。


 私は、もう思い出せないほど前からずっと希死念慮を心のどこかに抱き続けてきた。
 ある時、父親に「死にたい」と相談したことがある。
返ってきた言葉は、
「なら辞めるか?学校」だった。それ以降何度か相談したけれど、いつも返ってくるのはその言葉だけだった。
家が居場所ではない私にとって、唯一の居場所であった学校すらなくなるのは嫌だったから、父親に希死念慮を伝えることはやめた。
黙って、バレないように、自殺の練習を繰り返した。
 またある時、別居している母親に「死にたい」と相談したことがある。
返ってきた言葉は、
「それは私に対する脅しとしか思えません。警察に通報します」だった。こちらも同じく、返事が変わることを期待してそれ以降も何度か相談したけれど、やっぱりそう返され続けた。
どうして希死念慮を親に相談するだけで、「警察に通報します」と脅されなければならないのか。私はやっぱり母親に対しても希死念慮を伝えることはやめた。連絡手段も全て絶った。

 彼らは世間体を気にしている。“自殺した子の父/母親”という不名誉な称号を得たくないが故に、子を脅し続ける。子に、自分に従うことを強要する。自分が言うことは常に正しいと言い続ける。

 だからといって、じゃあ、と思って頑張って生きると、彼らは私に対してそれぞれこう言う。
父親は「目障りだから早くどこかへ行け」と。
母親は「私のことは母親だと思わなくて結構です。老後もあなたに迷惑をかけないように手続きしておきますから」と。
 私から“家以外のどこかへ逃げる力”を全て奪っておいてそんなことを言う父親と、子の抱える物が重すぎたが故に母親であることから逃げ他の男との肉欲に溺れる母親と。


 私にはもう、何が正解なのか見当も付かない。
何をすれば幸せになれるのか、そこまで贅沢は言わなくとも、何をすればこの地獄から逃げ出せるのか、分からない。
 私の目にはもう、死ぬ以外の逃げ道は映っていない。