生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

引っ越していらないものから逃げ出す、というのは、解決策のひとつとして理にかなっているように思えてきた

 家には、私が生まれてから今までの歴史が積もっている。いいことも、悪いことも、全部全部積み重なっている。そして私は、その積み重なった歴史に囚われている。


 私の推しであるところの江口拓也には“どうにもならない程に部屋が散らかったら片付けるのを諦めて引っ越す”という癖があるらしい。私はそれを出来てしまう彼の財力を羨ましく思う。私も、家に積み上がった20年と数年分の歴史を綺麗さっぱり置き去りにしてどこか違うところへ引っ越してしまいたい。

 私の部屋には、私が小さい頃に遊んでいた人形遊びのおもちゃや、通っていた絵の教室で作った作品、もう読まないだろう児童向けの本、その他諸々が、もう私には手が着けられないくらいに溜まっている。同様に、家を出て行った母親の荷物も私の部屋を占拠しており、息苦しくてたまらない。
 今いらなくて、今の自分を圧迫するだけの物を全部捨てたい。


 いらないもので溢れている家から逃げ出したい。知らない内に積み重なり、私を圧迫し責め立ててくる形を持った歴史から、逃げ出したい。