生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

どうか、壊れてからでは何もかもが手遅れであることを理解してほしい

 朝、同居人より早く目が覚めた私が抱いた感情は、師匠のそれとは違う、どす黒い感情だった。


 自分の足を支える1本の綱は、絶えず不安定に揺れていて、気を抜いた途端に落ちそうになる。

 今朝洗面台に向かう途中、父親の部屋の扉がいつものように開け放されていて、部屋の中で彼が布団を被って寝ているのが見えた。いつもの光景、毎日目にする光景。
だけど今はいつもとは異なっていて、私の中に未解決のまま転がしてある、“殺す”か?“死ぬ”か?の問いかけが私に働きかける。布団を被り油断しきった肉塊に、刃を突き立てる姿を想起させる。

 多分、いや、絶対に、こんなことを考えてしまった私はもう限界で、普通の人のように生きられる訳がなく、この社会で生きる資格もない。

 “理想の家族ごっこ”で使い潰されて、ろくな修理もされないままだましだまし使い続けられた子供は、結局壊れてしまった。ほつれだったものは、もう修復できないくらいの穴にまで広がって、内側の綿をつなぎ止めておけなくなった。
 私は前を見るための眼球すらどこかで落としてしまったようで、落とした眼球は自分の内側と過去の方に向けられたままになっている。

 そして過去を参照したところ、父親から逃げるには母親がそうしたように武器を用いるしかないらしく、私は無防備な父親の姿を目にした時、それを使うことを考えてしまった。


 家は牢獄、精神異常者・DV魔と同居させられる地獄。脱獄したくとも出来ない牢獄。悪いことをした覚えはひとつもないのに、私は産まれた瞬間からこの牢獄に幽閉されている。