生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

道がない

 仮に「助けて」と誰かに言ってももうどうしようもできないところまで来てしまった。追い込まれてしまった。


 頭の中の私が言う、殺せ、と。さもなければ死ね、と。朝起きてから夜寝るまで、何なら夢の中でも四六時中、「殺せ」「死ね」が頭の中で木霊している。
私は壊れてしまったのだろうか。

 明らかに正常な人間の思考ではない。正常な人間はそんなこと考えない。私はおかしい。
おかしいことは分かっているけれど、もうここまで来てしまった私にこれを治すことは出来ない。治せない。死ななきゃ治せない。
最近台所の包丁と、部屋にある縄がやけに目に付くようになった。殺すか、死ぬか。いや、殺して死ぬか、殺さないで死ぬか、その違いだけなのかもしれない。

 意識的に明るく振る舞う。
他人に受容される自分を装う。その度に外向きの自分と内向きの自分が離れていって、誰も内向きの自分になんか目もくれなくなった。
当然だ。そうなるように仕向けた/仕向けてしまったのは他ならぬこの私なのだから。

 だけど私は知っている。外に内向きの自分を出してはいけないことを。出した瞬間に悪意の人間の玩具と化すことを。
だから私は重たくなくて、軽くつまめるような/ジャンクな自分を表に出した。

 その結果、誰にも「助けて」なんて言えないままに、手遅れになってしまった。
来て欲しくない明日から逃れたい。そう願うだけで、「殺せ」と「死ね」が顔を出す。交互に私を責め立てる。起きてる間中そんな調子だから、私はもう生きる気力がほとんど削がれた。
生きたくないし、他に希望なんてどこにもないし、死んじゃおっか。それくらいのノリで、希死念慮が湧いてくる。


 私は誰も殺したくないし、出来ることなら生きて幸せを知りたい。だけど頭の中の思考はもう、殺すことと死ぬこと以外にはほとんど何もなくなってしまった。

 誰か助けてください。
私からは何も対価を払えないくせに、と、都合のいい頼みだなんて百も承知だけど、助けてください。
小心者の私は、殺したくも、本当は死にたくもないのです。
今いる環境から、置かれている状況から、どうか私を助けてください。

 頭の中に、まだ使える方の手が親を背中から刺すFPSの画面のような光景が浮かんできて、日を追うごとに画質が鮮明になってきた。
このままだと私は本当にひとをころしてしまうかもしれない。かもしれない。