生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

うるさくてたまらない

 芯を出していない製図用シャープペンシルで、剥き出しの鼓膜を、カリカリと、ガリガリと、引っかかれているような感覚。それが延々と続く。

耳を塞がない限り、私に逃げ場はない。

 

 

 うるさくてたまらない。目的とする音以外の雑音が。うるさいと、鼓膜が痛くなる。まるで鼓膜が負った切り傷の後に出来たかさぶたを引っ剥がされたような、そんな状態で低質な鳥の合唱を聞かされ続けているような。

 

 もう私は、迂闊に外に出ることすら怖くなった。好きな音を聴きに行きたいという気持ちを、好きじゃない音で傷付けられたくないという気持ちが上回った。特に女の子の声が駄目だ。馬鹿でかい男の子の声も駄目だ。全てが私の鼓膜へと一斉攻撃を仕掛けてくるようだ。

 

 真面目に生きようとするだけで、そんな雑音が私の思考に侵略してくる。半身は痺れて寒気がする。物は覚えられなくなる。鬱病がどんどん悪化していく。

 

 早く、私の手元に1発だけ弾が込められた拳銃が届いてくれればいいのに、と思う。そうすれば、私はすぐさま頭を打ち抜いて、こんな生きづらい世界からおさらば出来るのに、と。

 

 世界はうるさい。世界は私が真面目───不真面目はもちろんのこと───に生きることさえ許さない。だからといって、死ぬことも許してはくれないのだ。

 

 死ねないから生きている、生きたくないけど生きている。そんな苦しみから逃れたいのに、足が竦んで動けないでいる。

 真面目に生きてて報われたことなんて、人生で1度もなかった。でも、不真面目に生きようとして報われたこともなかった。

 私は生きることを世界から糾弾され続けながら、色んな障害に鬱病というフレーバーをまぶした刑を受けながら、生きたくないのに生かされている。

 

 誰かに泣きつきたい。泣きつかせてほしい。師匠相手にすら流すのを堪えた涙を流すことを、誰かに許されたい。泣くことすら許されない私に、泣いてもいいと言ってほしい。助けてください。