生まれたてのこじか日記

短期記憶がすぐ消える暇人の肉体から乖離して独立した“書き手”という非実在存在の備忘録 この内容が本当か嘘かは“書き手”自身にも分からない

常に何かが頭を占拠している状態

 ポコポコと湧いてくるような。

 

 何で自分はこんなにも頭がギュウギュウのパンパンになっているのか、と、残存メモリで考えていた。

 多分私は、元々思考が多動なのだ。そこに記憶障害が加わって、詰めていられなくなったものを忘れていく/捌けさせる速度が上がっただけの話。私は1から(自分の価値判断───正しいとはとても言えないが───に従って)10、20を読み取ってしまう。

投げ掛けられた言葉を文面通りに受け取れなくて、必ず裏の裏まで考える。正しいとは言えない尺度で考えるものなど妄想以外の何物でもないが、考えるのだ。

 視界に入った物から脳に入ってくる情報も多い。色、明度、硬度、状況……。いちいち全ての物から、そんな情報はいらないのに情報が流れ込んでくる。

昔観たインディ・ジョーンズで、水晶製の頭蓋骨から全知を与えられたシーンを思い出す。全ての知には到底及ばないものの、それでも私の脳味噌には十分すぎる程の情報が、あのシーンのように流れ込んでくるような。

 そして、私の過敏な感覚が過大な情報量をさらに増やす。その情報が、更なる思考を呼び覚ます。結果、私の頭はギュウギュウのパンパンになって、そのくせこうして都度書き留めでもしないとどんどん忘れていってしまうようになった。

 時代の流れに逆行する処理速度の低下。ファンは回るが熱が下がらない。

 見えない言語は余計にメモリを食う。“言ってない”が前提になる言葉は、参照元を探すのに労力を要する。一定の文章から作者の気持ちを読み取ることだけを練習した結果、“根拠が見つからない/ない言葉”でバグを起こすようになった。

 

 笑顔を浮かべながら、相手を憎む/恨む/嫌う。興味があるそぶりをしながらも、その実相手への興味をなくしている。

マイナス/プラスの意思が、社会性フィルターにかけられた途端、真逆の位相に反転する。嫌いを好きと言う。好きを興味がないと言う。

 本当じゃない本当が、絶え間なく放たれ続けている。

 その処理で、こころを大きく揺さぶられてしまう。

 

 過呼吸、酸欠。メモリが削られる。

 多動な癖に世界が狭い私は、ひとつのトピックに干渉/執着し続ける。フラットな生活で鈍ったこころが、些細なことで波立つ。

止まらない。止まれない。こころが理性の振りをして、理屈っぽい何かをがなり立てて、身体を突き動かす。

 

 

 私は、教養も何もない、つまらない人間だ。飛び出す全てがつまらなくてありきたり。

関わるメリットなんてひとつもなくて、お情けをかけられて初めて、人と関われるような人間だ。社会性フィルターを通った言葉たちが、芯に温度のない声が、自分に向けられる。

本当なんて少しも乗せられていないような文章を投げかけられる。

 声色/目/内容が、自分に対する興味の無さをリアルタイムで証明する。

必死に次の言葉/話題を探してきて、相手の興味を引こうとする。身体から離脱して後頭部を俯瞰する思考が、自身を認識して、動物じみた哀れさに直面する。

 

 

 何も分からない中で、せめて嫌いになってほしい、だなんて性格/頭の悪い願いが無惨に散ったらしい、ということだけが何となく分かって、何も乗っていない手の平を静かに濡らした。

 

 もう、何を書きたかったのかすらすっかり忘れてしまった。